座⾧:川島 眞 (東京女子医科大学名誉教授)
「光と太陽とどうつきあうべきか?ビタミンDと遮光(サンスクリーン)を再考する」
大阪公立大学生活科学部食栄養学科 桒原 晶子
ビタミンD不足・欠乏は骨の健康のみならず、様々な生活習慣病及び感染症のリスクとなり、近年では妊娠高血圧腎症や児の健康にも関係することが示唆されている。ビタミンDは、摂取する以外に皮膚で生成されるという特徴を有し、皮膚での生成が生体内のビタミンDの80~90%程度を占めるとの報告もある。すなわち、日光曝露の状況がビタミンD栄養状態に与える影響は大きい。本講演では、自身の研究データも踏まえて日光曝露のビタミンD栄養状態に対する寄与について示し、日焼け止め使用によるビタミンD栄養状態への影響を検証したレビューについても紹介する。これを踏まえて、ビタミンD不足・欠乏回避における日焼け止め使用のあり方並びに摂取によるアプローチについても紹介する。